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8年前、私がこの記事に込めた願い
「もし私がいなくなったら、この家や貯金はどうなるんだろう?」 「最愛のパートナーが、私の親族から『他人』として追い出されるようなことだけは、絶対にしたくない……」
2018年にこの記事を書いてから8年。パートナーシップ制度が当たり前になり、私たちの存在は以前より可視化されました。でも、FPとして、そして一人の当事者として、改めて厳しい現実を伝えなければなりません。
2026年現在も、日本の法律(民法)において、私たちはまだ「赤の他人」です。
遺言書がないままその時を迎えてしまえば、パートナーには1円の相続権もありません。今日は、そんな冷たい法律の壁を越えて、大切な人の生活を「盾」のように守ってくれる、公正証書遺言についてお話しします。
1. 遺言書は、パートナーの「住まい」と「生活」を死守する盾
私たちが一番避けたいのは、自分が亡くなった後、残されたパートナーが住み慣れた家を追われたり、生活に困ったりすることですよね。
- 制度の仕組み: 自分の財産を「誰に、どれだけ渡すか」を公的に決めておく書類です。
- 得られる安心:「もしものことがあっても、私が託した資産であなたはあなたらしく生きてほしい」……そんな揺るぎない安心を、パートナーにプレゼントできます。
2. なぜ「自筆」ではなく「公正証書」なのか?
2018年当時よりも、今は「家族の形」が多様化しています。しかし、親族とのトラブルは依然として起こっています。だからこそ、親族からの反論を封じ込める「最強の証拠力」が必要です。
- 対策: 自分で書く(自筆証書遺言)のではなく、公証役場でプロ(公証人)と一緒に作成する「公正証書遺言」を選んでください。
- 得られる安心:「これは、私が正気で、自分の意志で決めたこと。誰にも破り捨てられないし、誰にも無効だなんて言わせない。」……あなたの意志が、100%確実に実行されるという安心です。
3. 2026年の新常識:デジタル遺産と生命保険を味方に
8年前にはあまり意識されなかった「見えない資産」の整理も、2026年の今ならもっとスマートに解決できます。
- デジタル遺産: ネット銀行や証券、SNSのアカウント。「どこに何があるか」を遺言書で指し示しておくことで、パートナーの手続きの負担を劇的に減らせます。
- 生命保険の受取人: 最近は同性パートナーを受取人にできる保険が増えました。遺言書による相続(遺贈)には時間がかかりますが、保険金なら「すぐに届く現金」としてパートナーを救います。
- 得られる安心:「手続きで迷子にならないように、道標を置いておいたよ。届いた保険金で、まずはゆっくり深呼吸してね。」……残された人の混乱を最小限にする、最後の優しさを形にできる安心です。
4. 当事者のFPとして、今あなたに伝えたいこと
「遺言書を書くなんて、死ぬ準備をしているみたいで怖い」 そう思うかもしれません。でも、実際に遺言書を作成した多くの方は、「これでようやく、パートナーと笑って明日を迎えられるようになった」とおっしゃいます。
法律が私たちを守ってくれないからこそ、私たちは知恵を出し合い、制度を使い倒して、自分たちだけの「家族」を完成させる必要があります。
まとめ:愛を形にする第一歩を
制度を知ることは、不安を安心に変える第一歩です。 「自分たちも準備を始めたい」と思った方のために、具体的な手続きの流れを別記事に詳しくまとめました。
→ [大切な人の「住まい」と「未来」を死守する。公正証書遺言を作る5つのステップ(内部リンク)]
まずは自分たちで何ができるか、パートナーと一緒にページをめくってみてください。
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