最近度々話題に上がる「エンディングノート」。大事な方への想いや自身の人生の振り返り、死後にしてほしいことなどと綴った自身の記録ともいえるノートのことです。
しかし、作成は老後にすればいいと思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、若いうちにこそ作っておきたいものなのです。
ここではエンディングノートを今すぐ作成しておくメリットについてお話しします。
1.エンディングノートの作成は老後にすることだと思っていませんか?
エンディングノートは死後に読んでもらう自身の記録ですが、よく間違われるのが遺言書との混同です。
遺言書は遺産相続について生前に取り決めた自身の意思表示を書面に残したもので、法律で定められた相続に関する規定よりも優先される法的効力のある書面です。
それに対してエンディングノートに法的効力はありません。あくまで自身の生きてきた証を記録するもので、死後に家族等に思いを伝えることができるツールです。
そしてそれは、過去を思い出しながら書くのではなく、現在をその都度書き記していくことでより鮮明に記録することができるのです。
2.データ社会だからこそ陥るワナ
現代はスマートフォンやパソコンなど、データで情報を記録しています。
そのため、死後に連絡してほしい人をノートに書き記していても連絡先が確認できるのはスマートフォンの電話帳のみ、という方も多いのではないでしょうか。
データは概ねIDやパスワードなどで管理されています。
そのため、いざその時が来てもスマートフォンの暗証番号が解らず、解除して中の電話帳を確認することができないという事例がとても多く発生しています。
それどころか、有料コンテンツの解約にIDやパスワードが必要なのにそれが解らず、自身の死後に請求されるということも。
最近で多いのは、仮想通貨などで得た利益があるのにそれを遺族が知らないままで、後日相続税の請求が来て慌てるなんてこともあります。仮想通貨などの利益を引き出したくてもIDやパスワードが解らなければ、分配されるはずの財産は引き出せないまま相続税だけ支払って遺族は大損なんて事態にもなりかねません。
自身の資産はどこにあるのか、またそれを確認するためにどのIDやパスワードが必要なのかなど、詳細に書き記しておくことが重要なのです。
3.情報はデータではなく紙でのこしておこう
エンディングノートは紙のものだけではなく、スマートフォンのアプリやパソコンのソフトなど色々な形式があります。
しかし、確認するために解除のパスワードが必要だと意味がありません。電子機器ですから、故障したらパスワードを知っていても確認することができないどころかデータ消失の恐れもあります。
やはり、紙にのこすということが一番確実で安心な方法ではないでしょうか。
4.新しい情報はすぐに追加!定期的に更新を
IDやパスワードは定期的に変更することが求められます。ノートに書き記していても情報が古くては意味がありません。変更の度に書き記しておけば、自身がパスワードを忘れてしまったというときにも有効なバックアップとなります。
どのコンテンツにも同じパスワードを使用するのはセキュリティの観点からも危険ですから、パスワードは自ずと多数になります。
いつどのコンテンツにそのパスワードを使用したか、書き記しておけば自身のバックアップになり、自身の死後は遺族の不安を取り除く有効なツールとなります。
エンディングノートは遺族や大事な人への最期のメッセージです。
遺族が慌てることのないよう情報をしっかり残しておくことで、ご自身も安心して人生を生きて行くことができるでしょう。