独身の方にオススメしたい、銀行や証券会社、保険を活用して行う3つの資産運用法

独身の方にオススメしたい、銀行や証券会社、保険を活用して行う3つの資産運用法

貯金ではあまりお金が増えないという理由で、資産運用に興味を持つ人は多くいます。しかし、資産運用は元本割れのリスクがありますので、手法は慎重に選ばなくてはいけません。

この記事では、資産運用の経験がなくて何から始めたら良いか分からない人や、資産運用にあまり手間をかけたくないという人に向けて、なるべくリスクをおさえて有利に運用できる3つの方法を紹介します。

 

1.NISA(ニーサ)

国が資産運用を支援してくれる仕組みの1つとして「NISA」があります。NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類がありますが、20歳以上が利用できるものは一般NISAとつみたてNISAの2つです。

NISAのメリットは、運用益が非課税になるという点です。投資額の上限は一般NISAが年間で120万円、つみたてNISAが40万円ですので、投資に回せる資金が大きいなら一般NISAのほうが良いですが、非課税で運用できる期間は一般のNISAが5年、つみたてNISAが20年となっていますので、一概にどちらが良いとは言えません。

両者を併用することを考える人もいるでしょうが、2018年4月時点ではいずれか1つの口座しか作れないので、どちらかを選ぶ必要があります。ただし、途中で変更することもできますので、あとから変えたくなっても問題ありません。

投資経験の浅い人には、どちらかといえばつみたてNISAをおすすめします。つみたてNISAの特徴の1つに、投資できる対象となる商品が限られているという点があります。つみたてNISAで投資可能な商品は金融庁が厳選した143本(2018年4月3日公表)の投資信託のみですので、一般NISAと比べれば迷わなくて済むからです。

つみたてNISAを始めるためには、銀行や証券会社などでつみたてNISA専用の口座を開設することが必要です。口座を選ぶうえでは、自分が投資したい商品を扱っているかどうかという点に注目しましょう。つみたてNISAでは全部で143の商品しかありませんが、すべての金融機関ですべての商品を扱っているわけではありませんので、投資したい商品があるという場合は、その商品を扱っているかどうかを確認してください。

また、つみたてNISAで投資をするうえでは手数料を払う必要があります。ただし、手数料とは金融機関が口座を管理する手数料ではなく、購入した投資信託の信託手数料です。商品によって違いがありますが、およそ0.2%~0.5%となっています。数字で見ると小さく感じるかもしれませんが、仮に0.5%の手数料がかかる投資信託に40万円の投資をすれば、支払う手数料は40万円×0.5%=2000円です。

手数料は毎年の評価額に対してかかりますし、投資期間が最長で20年と長いわけですから、単年では気にするほどでなくても累積すればそれなりの負担になります。長期投資では大きなリターンを狙いませんし、手数料は利益が出なくても払わなくてはなりません。きちんとした理由がない限りは、できるだけ手数料の安い商品を選ぶのがおすすめです。

 

2.iDeCo(イデコ)

iDeCoとは「個人型確定拠出年金」のことで、NISAと同様に国が用意した資産形成の手段の1つです。簡単にいえば自分で作る年金で、老後に国からもらう国民年金や厚生年金に上乗せするイメージで作られています。

iDeCoのメリットは、税制上の優遇が大きいという点です。積み立てた金額は生命保険料控除の対象となりますし、運用している間に売却益が生じても、所得税や住民税は課税されません。また、運用が終了してから受け取るお金は公的年金等控除または退職所得控除という規定が使えますので有利です。

iDeCoは月5000円から始められ、1000円単位で積み立てる金額を決めることができます。積立金額の上限は職種などの条件によって決められており、例えば自営業者なら月6万8000円、企業型の年金がない会社員や専業主婦なら月2万3000円、公務員なら月1万2000円と決められています(2018年4月現在)。

iDeCoを始めるには、金融機関を選んで専用の口座を開設することが必要です。金融機関を選ぶポイントとしては、自分が投資したい商品を扱っているかという点と手数料を最低限見ておきましょう。iDeCoを利用するうえでの手数料はいくつかありますが、大事なのは運用期間中に毎月かかる費用です。これは積み立てを行う月と行わない月で違うのが一般的で、金融機関によってかなりの差があります。手数料のおよその相場は、積み立てを行う月は170円~620円、積み立てを行わない月は60円~510円となっています(2018年4月現在)。

運用する金額が少ない場合、手数料で毎月500円も払うと税金が非課税になってもメリットがないどころかマイナスになりかねません。そのため、特別な理由がない限りは手数料をしっかり確認して金融機関を選びましょう。なお、金融機関は変更することができます。

iDeCoを利用するうえでの最大の注意点は、運用する資金は60歳以降でないと引き出すことができないという点です。例外的にiDeCoを途中解約できるのは、利用できる資格を失った一定の場合、加入者が死亡した場合、加入者が所定の障害状態になったときと限られています。そのため、iDeCoによる運用は、余裕のある範囲で行うことが大切です。

 

3.民間の保険を活用する

長期的な視点で資産運用をするのであれば、民間の貯蓄型保険を活用するのも1つの方法です。貯蓄型保険にもいろいろ種類がありますが、ここでは終身保険について説明します。

終身保険とは、保険の対象となっている人が死亡したとき、または所定の障害状態になった時に保険金を受け取ることができる死亡保険の1つです。終身保険には、保険料が掛け捨ての保険よりも高い点と、解約すると戻るお金(解約返戻金といいます)があるという2つの特徴があります。もちろん保険ですから、仮に契約して1カ月後に死亡したとしても、死亡保険金を満額で受け取ることが可能です。

「あれ?独身者に死亡保険金?」と思うかもしれませんが、重要なのは「解約返戻金」です。

終身保険は長期で契約すると、解約返戻金が払い込んだ保険料の総額を超えるタイミングが出てきます。そのため、終身保険は資産運用を目的として使うことができるのです。「長期」というのは、保険料を毎月払い続けるのであればおよそ30年が目安ですが、より短期間で払い終えることもでき、この場合はもっと利回りが良くなります。また、確定申告では払った保険料が生命保険料控除の対象となりますので、実質的な利回りはもっと高くなる場合があります。

資産運用目的で終身保険を使う場合、契約してからしばらくの間、解約返戻金の金額を従来の商品の7割程度におさえた「低解約返戻金型」の終身保険もあります。こちら活用するとさらに利回りをよくすることができるので、検討する価値があります。

ただし、終身保険にもリスクはあります。それは、短期間で解約してしまうと、払い込んだ保険料の総額よりも少ない保険料しか戻らないことと、保険会社が倒産する可能性あることの2点です。そのため、終身保険なら必ずお金が増えるというわけではありませんので、保険会社を選ぶうえでは倒産リスクを考慮する必要がありますし、無理のない資金で契約するのが良いでしょう。

 

4.国の制度は積極的に使おう

NISAやiDeCoはとても有利な制度ですので、積極的に活用することを考えましょう。終身保険は民間の商品ではありますが、破綻した場合も生命保険契約者保護機構や損害保険契約者保護機構というところで一定の保障を受けることができます。これも間接的に国が支援しているといえなくもありません。

資産運用を始めてみたいのであれば、まずは投資の経験が浅くても取り組みやすいこうした商品を検討してみてください。どの方法がベストなのかわからなければ、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談するのも良いでしょう。